マサキチトセさんへの応答:「フェミニズム」の射程を狭めてしまう「ジェンダーフリー」擁護と、反「ジェンダーフリー」言説

斉藤正美 | 2009/7/27

「ジェンダーフリー」をめぐる保守派からの批判を受けたフェミニズムの対応には、実質的にクイアを排除する面があった。その現状を打開するために考えられる方策は、「男女平等」に戻るというのではなく、新たに「性の二元制」ならびに「異性愛制度」と「男性標準」を標準的なルールとする現在の文化や規範を見直し、「性にまつわるあらゆる形態の差別」を解消するという考え方を打ち立てること、さらに、それについての具体的な取り組みをフェミニズムを支持する人たちが積極的に始めることであると考えている。

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リブ関連書の紹介

山口智美 | 2009/7/23

日本のウーマン・リブ運動に関する書籍をいくつか紹介。抜けているものもあると思うので、このリストにも加筆がはいっていくかもしれません。
(ブログ「ふぇみにすとの論考」2007年10月2日付エントリに若干加筆したもの。)リブ全体像について、リブ団体の記録、リブに関わった個人による著作をリストしています。

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「フェミニズム」の射程を狭めてしまう「ジェンダーフリー」擁護と、反「ジェンダーフリー」言説

松本政輝 | 2009/7/22

前回「「『ジェンダーフリー』ではなく『男女平等』だ」と言うことの危険性」に書いたように、「ジェンダーフリー」概念を擁護する言説と「ジェンダーフリー」は有効ではないからきちんとフェミニズムの根本的問題に戻るべきだとする言説が、両方ともある種の罠にはまってしまってきたのが現状だ。というのも、「罠」はもちろんジェンダーフリー・バッシングが問題設定を「男女平等」「LGBTの権利獲得」「性の二元的慣習からの脱却」「教育におけるマイノリティに関する試み」など全ての論点をひっくるめて「ジェンダーフリー」として、そのうち特にクィアなもの、すなわち「同性愛・両性愛」に関する部分や「トランス」的な部分というものを攻撃することで同時に、「男女平等」という現代では反対する声を挙げづらいところにまで範囲を広げてバッシング可能にするような言説を作って来たことを意味する。そして少なからぬフェミニストがそれに対して反論を試みて来たが、それは前述の通り「ジェンダーフリーはこれこれこういうものなんだ」という形で「誤解を解く」ことでジェンダーフリー概念を擁護しようとする動き、そして逆に「ジェンダーフリーというのは結局のところ『男女平等』の言い換えに過ぎないのだから、『男女平等』に戻せばいい」という言説を作ろうとする動きの両方のパターンに陥って来た。

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女性運動史をめぐる「江原史観」の問題点とその影響

山口智美 | 2009/7/21

 1996年、「行動する女たちの会」(1985年までは「国際婦人年をきっかけとして行動を起こす女たちの会」)が解散した。その後、一部の元会員たちによって、会の記録集作成プロジェクトが始まり、1999年、『行動する女たちが拓いた道』(未来社)という本として、出版された。

 この本の「はじめに」に、「女性学を学ぶ若い研究者や学生たちの中には、日本にはフェミニズム運動はなかったとか、’70年代初めの短期間の運動に終わったと思っている人たちが少なくない。 このような女性解放史の欠落は埋められる必要がある。私たちがこの記録集をまとめようと考えた動機はここにある。」(行動する会記録集編集委員会 1999:1-2)という一文がある。

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「草の根フェミ」による「ジェンダー・チェック」批判とは?

斉藤正美 | 2009/7/21

『バックラッシュ!』の上野千鶴子氏インタビュー記事における「ジェンダーチェック」に関する記述を読んで、上野氏の「草の根フェミ」とは何を指すのか、具体的に述べられておらず、上野さんは女性運動について知らないで書いておられるのではないかと思った。同インタビューについては、先にmacska氏がセクシュアルマイノリティの扱いについて厳しく論じておられ、議論になっているところでもある。当ブログでは、上野氏の原稿を読み、フェミニズムが起こした「ジェンダーチェック」批判が表に出ていないことに改めて気づかされたので、ここでは、運動経験者として行政に関わった体験について記しておきたい。フェミニズム内部から行政主導の「ジェンダーチェック」が「検閲」にあたることを怖れて阻止されたケースが確かに起きていたことを明確に記しておく必要があるからだ。

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上野千鶴子さんからの応答–「ジェンダーチェック」批判について

斉藤正美 | 2009/7/21

6月30日のエントリー「草の根フェミ」による「ジェンダー・チェック」批判とは?において、『バックラッシュ!』本における上野千鶴子氏の言及に疑問を呈しました。ブログに書いても上野さんはご覧にならないかもしれないと思い、直接上野さんにメールでお知らせしました。そして、上野さんからは誠実に疑問に答えるお返事をメールでいただきました。ブログで発表することについてもご了承いただきましたので、ここで上野さんのお返事を掲載します。

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上野千鶴子さんの位置取り (「『女の品格』『おひとりさまの老後』から思うフェミニズムの行方」改題)

斉藤正美 | 2009/7/21

坂東眞理子さんの『女性の品格』、『親の品格』、それに上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』などフェミニストにより執筆された本がベストセラーの上位に食い込んでいる。お二人は自他共に認めるフェミニストである。そのお二人の本がベストセラーになっている。ウーマンリブの頃とは違い、フェミニズムが日本社会に受け入れられるようになったんだなあと思う今日この頃だ。ついでに言うなら二人とも富山県出身だこと!(その考察はまた改めて・・)

紀伊國屋書店単行本本週間ランキング(12月31日-1月6日)では、『おひとりさま』が3位、同新書ランキングで『女性の品格』が1位、『親の品格』が2位といずれもトップを占めている。文教堂(10分おき更新)では、総合で『女性の品格』が2位、『おひとりさま』が10位に入っている。

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「『ジェンダーフリー』ではなく『男女平等』だ」と言うことの危険性

松本政輝 | 2009/7/21

今日は、ブロガーの tummygirl さんによる「マッチポンプ、あるいは、対立の禁止が対立をつくりだす」というエントリ、及び小山エミさんの「上野千鶴子氏『バックラッシュ!』掲載インタビューのバックラッシュ性」を紹介する。

「ジェンダーフリー」という言葉を「性差の否定」だとして糾弾するバックラッシュ言説に対抗するために、少なからぬフェミニストが「フェミニズムは性差を否定しない」「男女平等を目指す」と言った対抗言説を構築してきた。しかしそこで想定されてしまったのは、フェミニズムが本来優先的に取り組むべき問題が、男女二元論の解体や撹乱ではなく、あくまで異性愛的で[[シスジェンダー]]的な「男女」の問題であるということだ。既存の男女二元論に対して疑義を挟もうとする者、そこに不快感や苦痛を感じる者などの存在を優先的に低い位置に置き、「フェミニズム」の外部へと押し出すようなかたちでバックラッシュへの対抗言説を構築しようとしているフェミニストは、そもそも LGBT の問題に関わる関わらない以前に、これまで男女二元論や異性愛のシステムを批判して来たフェミニズムの存在自体をも否定してしまっている。

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「ジェンダー・フリー」論争とフェミニズム運動の失われた10年

山口智美 | 2009/7/20

双風舎編集部編『バックラッシュ!なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』双風舎、2006年 掲載論文

(1)はじめに

1995年前後は、日本の女性運動にとって、重要な転換点だった。 1994年、男女共同参画審議会が作られたことで、耳慣れない「男女共同参画」という言葉が登場し、1996年には、同審議会による「男女共同参画2000年ビジョン」と「プラン」の中で「ジェンダー」という言葉が登場した。そして、「ジェンダー・フリー」という言葉も東京女性財団 によって紹介された。同年の北京の世界女性会議会議以降、「エンパワーメント」というカタカナ言葉が流行る一方、「ジェンダー」という言葉も新聞などでちらほら見かけるようになっていた。

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男女共同参画条例:「ジェンダーフリー」より「積極的格差是正措置」を

斉藤正美 | 2009/7/20

各地の男女共同参画条例の制定過程において、「男らしさ/女らしさにとらわれない」という「ジェンダーフリー」の理念を入れるか入れないかが攻防の的となっている(10月22日付け「ポリティカにっぽん 男女共同参画バックラッシュ」)。

「ジェンダーフリー」は、元来、東京女性財団がバリアフリーにヒントを得て用い始めた和製英語的な用法である。インターネットでgender-freeを検索すれば、日本の男女共同参画行政のサイトが多出するので驚く人も多いだろう。東京女性財団の説明では、「男女のジェンダーコードの『段差』を発見し、これを『平ら』にする試み」とある。

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